院生の虎
目的
つくば院生ネットワーク (TGN) が過去に実施してきた企画の一つに「院生プレゼンテーションバトル」があります。この企画は設立年の2012年から行われ、学園祭でも行われるなど大人気企画でした。概要は自分の研究内容を専門の異なる人に「分かりやすく、魅力的に」伝えるプレゼンテーション技術を競うというものです。この企画の良かった点として盛り上がって学生の活動として楽しかった点があります。一方で、反省点として、本当の異分野コミュニケーションは生まれなかった。ということがあります。
単純にプレゼンテーションをイベント化するだけでは、
分野間を超えたつながりを生み出すことはできないのだと思います。
そこでTGNが行う次の企画として「院生の虎」という、
より異分野コミュニケーションを触発できるイベントを企画しました。
![](http://tgn.official.jp/wp-content/uploads/2025/02/20240909161348_128.jpeg)
この企画を考えるにあたって参考にしたのは、「令和の虎」という登録者数100万人を超える人気のYouTubeチャンネルです。このチャンネルでは、起業家が資金援助やコラボレーションの機会を得るために、5人の経営者に向けて自分の事業をプレゼンし、それを受けて経営者たちがその事業に対する懸念点や有望性を確かめる質疑応答を行い、事業に対して資金援助を行うか、コラボレーションを希望するか決定する過程を動画で配信しています。
「令和の虎」で最も興味深いのは、出演する起業家が、ある意味「異分野」である経営者たちとコミュニケーションするために、様々な角度で自分の事業を説明する必要があることです。そして、賞金と、事業の先輩である経営者たちとのコラボレーションの機会というゴールが魅力的なため、動画に映る出演者は毎回真剣なやりとりを行っています。
「院生の虎」では、「令和の虎」のフォーマットをなぞることで真剣な異分野コミュニケーションを行う場を創出することを第一の目的としています。
活動の概要
院生の虎では、研究者を志す学生・あるいは自分の研究を客観的に見直してみたい学生が、3人の審査員 (TGNに所属、基本は博士後期過程以上、以下虎と呼称) に向けて自分のすでに行った研究及び将来像をプレゼンし、それを受けて審査員がその研究に対する懸念点や志願者の有望性を確かめる質疑応答を行い、その学生の研究や資質を審査を行い、理由とともにフィードバックを行います。志願者は3人の虎とのやり取りを通じて、専門外の院生から見た自分の研究への視点、また自分が研究を行っている理由を再認識する機会、審査員の人たちとのコラボレーションの機会を手にすることができます。志願者は、主にインターネット上で募ります。志願者には、所定のWordファイルの空欄を埋めて提出してもらいます。Wordファイルにはこれまで行ってきた研究の目的・背景・行っている動機と、現在の実績・将来像についての質問が書かれています。
TGNの虎たちは提出してもらったWordファイルを参考に志願者を決定し、出演日を決定します。
参加者募集中!
📢 以下の方々の応募をお待ちしています:- 異分野の研究者との交流に興味がある方
- 自分の研究を客観的に見直してみたい方
- 研究の新しい可能性を探りたい方
当日の流れ
当日の流れは以下のようになります。 まず初めに志願者には5分間で自分の研究についてプレゼンしてもらい、その後15分程度、審査員との間でが研究・実績・将来像についての質疑応答を行います。その内容をもとに、プレゼン・質疑応答について以下の観点から1-10点満点で採点を行います。【評価項目: プレゼン】 ・研究プレゼンをどれくらい理解できたか : 1-10点
・その人の研究を応援したいか 1-10点
・将来大きい研究になりそうかどうか 1-10点
【評価項目: 質疑応答】 ・質問に対して的確に回答できていたか 1-10点
・賞金の使い道は妥当か 1-10点
・この人と将来研究がしたいか 1-10点
そして15分のやり取りののち、これらの各項目についての点数・その理由を志願者に伝えます。この時にコラボレーションの希望があればフリップに書いて伝えます。コラボレーションとは共同研究の申し出や、もっと簡単な情報共有のための連絡先交換も含みます。
また院生の虎に出演した出演者は院生のアウトリーチ活動などに積極的な興味を持っていると考えられるため、彼らとTGNがこの活動をきっかけにつながることで、新しい活動が生まれることも期待しています。