私の研究【鹿児山陽平】

TGNの鹿児山です。
こちらで紹介したように2018年現在、筑波大学の博士課程で半導体の研究をしています。
もっと言うと、半導体デバイスの一種である「MOSFET」の「半導体/酸化膜界面」の「結晶欠陥」の研究をしています。

ちょっとだけ、研究の内容をお教えしましょう!

まず「MOSFET」とは、電流のオンオフを切り替える電子デバイスのことです。このデバイスは酸化膜(oxide)を金属(metal)と半導体(semiconductor)で挟む、三層構造をとっています。すると、MOSFETの中には半導体と酸化膜、酸化膜と金属の2種類の境界面が出現します。私が注目しているのは前者、「半導体/酸化膜界面」の方です。なぜなら、こちらの界面には電流のオンオフ切り替えに強い悪影響を及ぼすものが存在するからです。それはナノレベルの原子の乱れ、「結晶欠陥」です。結晶欠陥を減らせば減らすほどMOSFETの性能は向上します。そこで、結晶欠陥を減らすためには何をすればよいのか?結晶欠陥の正体は何か?を調べるが私の研究テーマです。

お分かりいただけたでしょうか。
まあ、「半導体にはMOSFETというものがあって、それを高性能にするための研究をしているのか~」程度の理解で大丈夫です。
…ウソです。本当はもっと理解してほしいんです。「高性能なMOSFET」とは何なのか知ってほしいし、その理由をMOSFETの構造や動作原理を通して理解してほしい。というか、そもそもの半導体についてしっかり知ってほしい。

半導体というのはすごい人なんです。白色電球から覇権を奪ったLEDというのも半導体なんです。最近話題の人工知能の頭脳は半導体でできているんです。再生エネルギーとして期待されつつある太陽光電池も、半導体が肝なんです。
つまり、私たちはもうすでに半導体なしには生きていくことはできないのです。毎朝目覚めたら、開口一番半導体に感謝の言葉をつぶやいてもいいくらいです。私はしませんが。
とにかく、こんなにお世話になっている半導体について、もっとみんな知るべきなのです。半導体とはどんな物質を指すのか?どのような特性を持つのか?デバイスはどんな役割を持つのか?
そんな話を、何回かにわけて書いていく予定です。よろしくお願いいたします。